『CONTROL』細部へのこだわりと、そこから見えてくる「環境との相互作用」―PS4日本語字幕対応版試遊レポ&Remedy広報責任者インタビュー
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世界での発売から二週間程度が経過し、日本人ゲーマーをヤキモキさせている『CONTROL』。すでに好評の声が全世界から聞こえてきていますが、筆者も日本語字幕対応版の発売を今か今かと待ちわびています。そんな中、今回一足早く本作のPS4日本語版をプレイできる試遊会にお招き頂いたので、今回はプレイレポート、そしてRemedy Entertainmentの広報責任者であるThomas Puha氏のインタビューもあわせてお届けいたします!



今回プレイした日本語字幕対応版はあくまで制作途中のビルドとのこと。とはいえフォントなどはうまくゲームに溶け込んでおり、プレイ中はほとんど違和感を覚えず「このままで完成されているのでは?」と思えました。PCでは英語版が既にプレイ可能ですが、筆者は初プレイだったので非常に新鮮に遊ぶことができました。


プレイ中は(日本での販売代理店である)マーベラスの担当者の方がずっと説明をしてくれていたのですが、「映写機を持ち上げるとそのままいろんな壁に映像を移せる」とか「PCを持ち上げると電源ケーブルがついてくる」など、ディティールのこだわりを強くプッシュされました。こういう小さな仕掛けは楽しいので大好物です。



ちょっとプレイしたところでボス戦になりました。主人公のジェシーは超能力を用いて異様な超常現象と戦闘していくことになります。ビジュアルイメージはまさに革新的で目を奪われますが、目を奪われていたらあっけなく負けてしまいました。個人的にはもっともっと遊びたいところでしたが試遊はこれにておしまい。「あとは製品版で!」とお預けを食らってしまい非常につらいです!本当にわずかなプレイ時間でしたので詳しいことはわかりませんが、アクションのプレイ感覚は非常に良好で、かなり面白そうだな!という印象を受けました! そして、そんな私の拙い試遊を横でずっと見守ってくれていたのが……、


Remedy Entertainmentの広報責任者であるThomas Puha氏です。製作者に見守られながらゲームをプレイするのは初めての経験でしたから、すさまじく緊張しました。……ということで、ここからはインタビューをお送りいたします!


――まずは、『CONTROL』というタイトルにどのように関わっているか、自己紹介をお願いします。

Thomas Puha氏(以下、Puha氏):コミュニケーションディレクターのThomas Puhaと申します。『CONTROL』には開発の初日から関わっています。Remedy社は非常に小規模な会社ですから従業員全員がゲームの開発に関わっていて、私自身もゲームディレクターと毎日話をしているというのがここ2 、3年続いています。

――既に英語版は発売され半月ほどが経つのですが、評判やレビューなど耳に入っている頃かと思います。手応えはどうですか?

Puha氏:感想は毎日のように読んでます(笑)。もちろん開発の段階から非常に自信は持っていましたが、好意的に受け止められているようで嬉しく思っています。我が社の作品はキャラクターや物語に特徴があるのですが、今作ではアクションにも注力したので、「手触りがよい」等の感想をいただけているのは嬉しいです。ユーザーの感想もフィードバックしていこうと思っているので、直近でもアップデートをしたんですよ。

――日本のファンも日本語版の発売を首を長くして待っています。

Puha氏:まず最初に日本語版の発売が遅れていることをお詫びします。数年前ですと、日本語版でゲームを出すのには2年ぐらい待たなければならないようなこともありましたから、それに比べたら状況は改善されているのかなとも思います。遅れた理由としましては、ローカライゼーションに質の高いものを求めたからです。Remedy社は非常に小さい規模の会社ですし、パブリッシャーである505Gamesさんもそれほど大きい企業ではないので、同時進行ですべてのことができないという事がありました。今回マーベラスさんと一緒にやらせていただくことになって、順調に進んでおります。


――いま試遊してみた感じとしては、色合いが印象的だなと感じました。非常にデザイン面も優れた作品だと思うのですが、どういう狙いでこのようなスタイリッシュなデザインになっているのでしょうか?

Puha氏:Remedyの作品ではそういうような「見た目」は非常に重視しています。かなり早い段階からゲームディレクターとデザインディレクターの間で「デザインに重点を置いてやっていく」という意思統一がありました。画面はコンクリートのグレーが基調ですが、その上でどのように敵のバラエティを用意するのかというところまでアートスタイルを考慮しながら作っています。

特に照明には時間をかけて作っています。『Alan Wake』のように「どこからプレイヤーがやってきて、どこへ向かうのか」が明確なゲームと違って、『CONTROL』はサンドボックスゲームですから「どのように統一感を持たせるのか」というのは今回、大きな課題の一つでした。


――Remedyの作品からは映画のような雰囲気が感じられるのですが、『CONTROL』を作るにあたって影響をうけた映像作品などはありますか?

Puha氏:よく我が社の作品は「映画的」と表現されるんですが、実は『CONTROL』についてはそういう押し出しをできるだけ避けたいと思っています。なぜかというと本作はアクションに非常に注力しているからです。

影響を受けた作品でいえば、Netflixでも展開されている。「アナイアレイション -全滅領域-」です。もともとは小説(「全滅領域」)なのですが、その本には強い影響を受けています。本作の舞台は現代ですが、建物自体は70年代のものをモチーフにしています。例えば「裏切りのサーカス」(原作小説「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」)のような70年代スパイものは参考にしています。あとはデヴィッド・リンチやアンドレイ・タルコフスキーの諸作品にはやはり影響されていますね。ふたりとも全く商業的な作家ではないですが(笑)。

――『CONTROL』にも非商業的でアーティスティックな雰囲気がありますね。

Puha氏:映画での「インセプション」の建物自体が変容していくイメージなんかも参考にしています。雑誌やWEBの媒体などにスクリーンショットを掲載したときに一目見ただけで「これはCONTROLだな」とわかるということを目指しています。


――小島秀夫監督がゲスト出演されているそうですが、どのようないきさつでそうなったのか教えていただけますか?

Puha氏:もともと、我々は小島監督の作品のファンでして、それがまず一つ目の理由です。それから、2018年のE3で、小島監督が我々のゲームのデモをプレイしにやってきてくれて、クリエイティブディレクターのサム・レイクと意気投合したんです。そういう縁もあって今年我々の方から「出ていただけませんか?」と持ちかけました。ものすごく多忙な方なので「OK」と言っていただけたときには驚きました。

――確かに(小島監督作品と)共通した感性のようなものを感じられるような印象も受けました。

Puha氏:そうですね、全く違うものをつくりながらも共鳴する部分があるかと思います。

――今回試遊させていただいての感想なんですが、武器が変形するじゃないですか、あれがすごくカッコいいなと思ったんですけど、どうして武器の形が変形するというアイデアを取り入れることになったんでしょう?

Puha氏:「一つの銃がどんどん変化していく」というアイデア自体はかなり早い段階からありました。数年前プラチナゲームズの『Vanquish』を見て「銃の形が変わるのはいいアイデアだな」と影響を受けました。それから長い間、ずっといつか自分たちのゲームでそのアイデアを用いたいなと思っていたのですが、なかなか人的な余裕もなく実現する機会がありませんでした。そして今回、舞台となるのはオールデストハウスという場所ですが、その場所の変遷とともに銃の変遷を見せるよい機会だと考えたわけです。

また、ゲームディレクターのミカエル・カスリネン(Mikael Kasurinen氏)の考えなのですが、今までのゲームでは主人公はどんどんと武器を変えていくというのが主流だったのに対し、そうでなく一つの銃をずっと成長させていくほうがよいのでは? というのがあったのも一つの理由です。

なので多様性をもたせるにあたって「一つの銃がどんどんと変容していく」という考えに至ったわけです。……まあ、いろいろ言ってきましたが「かっこいいから」というのが最大の理由です(笑)。


――インターネットコミュニティからは「SCPっぽいぞ」というような指摘があったと思うのですが、実際にSCP財団シリーズから影響を受けたぞ、というようなことはあるのでしょうか?

Puha氏:そういった感想を持たれるということはなんとなく理解できるのですが、実際にシナリオを書いたサム・レイクやもうひとりのナラティブディレクターは「SCP財団のコンセプトについて知らなかった」と言っていました。なので、単なる偶然でしょう。

とはいえ多くの人間が関わっているプロジェクトですから、様々なアイデアの反映は当然あって、その中には影響が見受けられる、というようなことも可能性としてはあり得るかなと思っています。


――“作中に登場するPCひとつひとつに電源ケーブルが繋がっている”といったような描写や“映写機を動かすと映像も動く”という表現など「モノを動かす」というところに力の入ったゲームのように見受けられたのですが、そのような細かいこだわりって他にもあったりしますか?

Puha氏:Remedyは「細部」にこだわる会社です。だからプログラマーにとってはかなり困難な職場でしょうね……。ただ「動き」や「細部」は非常に重要視しています。例えば、破壊描写はPC版でもPS4版でも同じ効果になるように調整しています。我々は「破壊」そのものではなく、環境との相互作用が重要だと考えていて、たとえば机の上にものがたくさん置いてあったり、壁が壊れかけている、というような「環境」にプレイヤーが働きかけ、相互作用していくということを大切にしています。車輪付きのボックスを超能力で持ち上げた場合、車輪だけが回るようになっている、というように細部には非常にこだわって作っています。環境の破壊については一人の人間が担当しており、作品を通じてすべてその人間が監修しているので一貫性があります。


――それはすごいですね!

Puha氏:あ、もちろんアシスタントがいるので、厳密には二人ですね(笑)。


最後に、編集部からの『CONTROL』っぽいポーズをお願いしますという無茶振りに応えてくれたPuha氏。非常に気さくな方で助かりました。影響を受けた作品類などなかなか興味深い話が聞けたかと思います。


また、編集部にお土産としてノベルティもいただきました。マーベラスの担当者の方いわく「激レア品」なのだとか。「読者プレゼントにでもどうぞ」とのことなので、今後もGame*Sparkを読んでいればゲットのチャンスがあるかもしれませんよ!
《文章書く彦》
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